彼女の男からメールがきたとき
彼女と結婚するのにまだ遊んでいるんだなと思って悲しくなった。

寂しくてそれを紛らわしたくてもう一度寝たいなと思った。
でもどうしてもそういうのってできなかった。
もしも彼女と結婚する人じゃなかったならしたと思う。

ちょっとでも考えてしまえばものすごく無意味なことにしか思えないから、
寂しさにまかせてひとと寝るようなたぐいのことが出来ない。
どうしてわたしは無駄なことくだらないことに時間を費やせないのだろう。
若くて、浪費できるものがあるのに、私はそれを浪費しない。
そんなに好きでもない人間と好奇心から寝ることができない。
好きな人がいるのにほかの人とセックスをする心理がわからない。
わからないことがとてもつらい。
性的なことをにおわせて人を釣るゲームに熱中してみたい。
なぜならそれをしている人たちは楽しそうだからだ。
みたされてはいないけれど、自分の本当の問題から目を逸らすことができ、
快楽や欲望に集中できているようで、とても楽しそうに見える。

彼女みたいになりたい。

友達にそんな話をしたら「バカになるのも努力が必要だ」といっていた。
麻痺させてゆくための努力をして、みんな自分を失うのかな。
それとも、そんな大げさな話じゃなくて、楽しいことなのかな。
わたしにはその楽しさがそもそもよくわからなくて、わからないことが悲しい。
わたしもばかになりたい。

仲の良い人とやさしい気持ちで寝るのだったらできるかな。
わたしはおかしいのだろうか。