雪という名のお母さんから生まれた梅の花の名前のベトナム人の女の子。

悲しみが体を引き絞るみたいです。

雪がきれいで冷たいからだ。

「いないとき、あなたの姿は拡がって、宇宙を満たすほどになる。亡霊のような、流動性のものになる。いるとき、あなたの姿は凝縮し、あなたは最も重い金属、イリディウムや水銀のような重みをもつにいたる。その重みが心臓の上におちかかるとき、私は死ぬ。」

「不幸な愛というものは存在しない。人は所有していないものしか所有しないからだ。幸福な愛は存在しない。人は所有しているものをもはや所有しないからだ。」

何をいったって、平凡に睦まじく暮らしている恋人たちにかなうものなんかなにもないよ。
いくら美辞麗句を並べたとしても純粋であったとしても、挫折した愛なんて概ね醜い残酷さや弱さに彩られているにすぎない。
私がMステで流れるポップソングをほとんど憎まないのはそういうわけです。

手に入れたらそれを失っている。いちばん欲しいものを手に入れたら、私はもうそのときには失っていました。なにかを手にいれるなんてことが叶わないと、私たちは本当は知っているのだと思う。なにかを手にいれるときは、それを握り潰すとき。